はじめに

最近親戚が亡くなり、GIANT Escape Air が形見分けされた。
故人はコロナ前後まではこの GIANT Escape Air で 度々近くの土手を走っていたらしいがそれ以降は乗らなくなってしまい、この自転車はベランダに放置されていた。
遺品整理に際してこのままだと処分されてしまうというところに、現在のロードバイクとクロスバイクを埋めるフラットバーロードとして出番もありそうということから、形見分けという形で私が引き取った。
受け取った GIANT Escape Air

マットホワイトということで汚れは目立つが、屋外の上層階の屋根付きのベランダに保管されていたということで、思っていたより劣化は無かった。
パンクはしていたが、タイヤ・チューブさえ交換すれば走れる状態になっていた。
とはいえ、スプロケットやリアディレイラー、ケーブル類は、結構錆が目立っており、クランク・ディレイラー・BB・シフターは取り替えたほうが気持ちよく走れそうではあった。
また、シートとグリップも汚れが目立つので、これも取り替えることにした。
フレーム・ハンドル・シートポスト・ブレーキレバーは割ときれいで、マットホワイトとシルバーの良さも出ていたので、この素材の良さを生かして、コンポをアップグレードする際もシルバーを基調にそろえると、故人の好きだったテイストを活かしつつ、自分好みの乗り味にカスタマイズできそうな予感があった。
タイヤ・チューブ交換
とにかくタイヤ・チューブ交換をしないことには始まらないので、タイヤ・チューブ交換をする。
タイヤに差し色として、ピンク・赤系の色を混ぜると映えるのではないかということで、カラータイヤを探す。
とはいえ、カラータイヤは劣化しやすかったり、コンパウンドが変わることにより品質の変化があり、赤・ピンク系のラインナップがあまり多くない。
街乗り向けすぎたり、あるいはMTB寄り、ということでフラットバーロードに使えるほぼ唯一ともいえるのが、クローザープラス25c だった。
本当は 28c が良かったのだが、クローザープラスのカラータイヤには28cのラインナップがなかった。
25c は個人的に少し不安が出てくる幅なのだけど、とはいいつつ少し気を付ければよい程度の差でしかないので、タイヤ幅は25c に決定した。
チューブは軽さを出すために、CYCLAMI の TPUチューブに、リムテープは Poly Lite にした。
あとで知ったが、リムテープ は テープ式のもののほうが良いらしい。 軽い、高圧でも変形しにくい、ずれないということで、相性が良いらしい。 次回巻くときはテープ式にしてみようと思う。
クローザープラス 25c は 割とビードも柔らかくて、はめやすかったように思う。 タイヤレバーなし、入念なドロップへの落とし作業なしに、楽にはめられた。

これだけでも割と様になっているように感じられ、素性の良さが感じられる。 漕ぎだしやハンドリングの軽さは本当に感動した。
今まで TREK の自転車ばかりにのっていたので、メーカー・車種が変わるだけでこんなに乗り味が変わるのかと驚いた。 (このあたりの感動は、初めてバイクでセロー250に初めて乗った時の感動に似ているかもしれない)
ジオメトリとしてはホイールベースが短く、ハンドル幅も短い、車体も軽いということで、TREK の FX-3やDOMANE とは真逆なな方向性なので、余計にそう感じやすかったというのはある。
コンポーネント交換
さて、肝心のコンポアップグレードだが、Escape Air の軽さをより出すために、以下の方針でコンポアップグレードを行うことにした。
- フロントシングル
- フリクションシフト
- 11速化
- BBをホローテック2化
- シルバーの5穴クランク
- シルバーのショートVブレーキ
それぞれについて説明すると、以下のとおりである。
- 出来るだけ軽くシンプルにしたいということでフロントシングル
- インデックスの調整からの解放・今後12速化した際にもシフターが使いまわせること・EQUALレバーで無段階シフトの面白さに目覚めたことからフリクションシフト
- 現在の8-10速ホイールでも対応できる11速コンポ(ディレイラーがGSの場合のみ11速化が可能)
- 軽量化のためにホローテック2移行
- 素体のマットホワイトにシルバーの基調を活かすためにシルバーの5穴クランク
- 今後ロードバイク化したときに備えてシルバーのショートアームのVブレーキに換装
ここで問題になるのが、シルバーの5穴クランクかつホローテック2対応という部分だ。
現在新品で、ホローテック2対応のシルバーの5穴クランクを出しているのは、自分の調査する限り、ラ・クランクと中国のKEOSのみ。 これらを買ってもよかったが、ちょうどクランクを物色している際に、10年以上前のシマノのホローテック2対応のシルバーの5穴クランクがメルカリで出品されていたので、折が良いということで購入した。 ホローテック2は最新の規格と思いきや、10年以上前から存在していることもなおさら驚いた。

組付け
以前、DOMANE AL 2 でほぼバラ完に近いことをやったので、組むこと自体はそれほど戸惑わなかったように思うが、ダイアコンペのシフターのケーブルの取り付け位置を調整するネジが、フェールセーフではないというか、間違った角度で固定すると本体を破壊してしまうというところがあり、少し本体を取り付けネジで傷つけてしまった。
説明書が全くなかったので、フェールセーフではない部分が少しでもあるなら、説明書を取り付けてほしいとダイアコンペさんには強く望みます。
完成

以上のアップグレードにより、ペダルなしで7kg台 に迫る超軽量機体に仕上がった。
初めてのフロントシングル化だったが、フロントダブルやフロントトリプルでの変速がいかにノイジーだったかを認識した。 普段のロードバイクのツーリングでも、正直フロントシングルでもよいのではないかと思ったぐらいだ。 それぐらいフロントシングルの気軽さ、シンプルさ、軽量さは魅力あふれるものだった。 FX-3 もいずれフロントシングル化してみようと思う。
BB・クランクも ホローテック化したことにより、剛性高くスムーズにクランクを回せるようになり、ヒルクライムでのトルクをかける感触もダイレクトになったように思う。
早速街乗りや100km未満のライドに大活躍してくれている。
さいごに
数年間放置されていたとはいえ、この自転車は故人の親が故人と付き添ってまで購入し、購入後もしばらくは定期的に走っていたと聞く。
実際、故人のこの自転車に対する思い入れをところどころに感じたので、そういう思い入れは残しつつ、自分が使いやすいモダンなフラットバーロードに仕上がったと自負している。
ジオメトリーから街乗りもしやすいし、軽量フラットバーのリムブレーキモデルであることから輪行も手軽にできるであろう。
ちょっとした距離を走って休憩する際にこの自転車を眺めていると、故人との最後の面会や看取りの記憶が頭をかすめる。
人生の最後に人はどのようなことを考えるのか、自分はどんな最期を迎えるかを逡巡する。
こういう時間も悪くない。









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