一つのパーソナルコンピュータについて、メモリ、CPU、OS、ネットワーク、周辺機器まで説明されている本を読みたくなったので、Amazonで評価も悪くなさそうな、この本を選定。
そこそこ分量はあるので、読み終わるまでに1か月半ほどかかったが、なかなか良い本だったように思う。
一言でいうと、薄く広く歴史的経緯も含めてコンピュータの仕組みを解説した良書。
Raspberry PiというSoCとその周辺機器を題材にしているため、浅く広くコンピュータアーキテクチャを学ぶのに都合が良い。
- 現在のコンピュータ構成要素ではなく、過去のレガシーなデバイスや構成要素についてもそこそこのページが割かれて解説されている
- 例えばメモリの章では現在では全く一般的でない遅延水銀などのメモリデバイスについても触れられている
- 一般的なコンピュータアーキテクチャの本で述べられる、CPU・メモリだけではなく、OSやネットワーク、グラフィックシステム、サウンドデバイスなどにも触れられている
- 実際のハードウェアの仕組みについてもたびたび言及がある
- 数ページほど日本語での説明がずっと続くような箇所があり、この辺りも図表で説明されているともっとわかりやすかったように思う
- 実際ほかの図表で説明されているページは理解しやすかった
- メモリの物理的な動作原理や仮想メモリの解説があるのは良かった
上記の点は評価が分かれているところであるが、全体の構成要素を広く薄く振れているので、コンピュータがどのような仕組みで動いているのか、どのような構成要素で成り立っているのかが大まかな技術原理が把握できる