概要
人にサービスを使ってもらうために意識することについて考察する。
新しいサービスを使う理由について
現状に満足していたらわざわざ大小のコストをかけて新しいサービスを使おうとは思わないので、 新しいサービスを作るということは現状に満足していないことに等しい。
現状に対する不満については、以下の種類に大別できる。
- サービスの仕様に対する不満
- 飽きた
- 使いにくい
- お金がかかる
- 時間がかかる
- サービスを取り巻くコミュニティに対する不満
- 過疎
- 年齢層
- 趣向の違い
新しいサービスが使ってもらえるか使ってもらえないかは上記の不満を解決出来るかに依るところが大きいのではないかと考える (もちろん、この新しいサービスを認知してもらう広報も極めて重要な要素であるが、ここでは一旦おいておく)。
事例
既存のサービスに対する不満とその不満を解消するサービスを開発しそれが広まった事例を記述する。 この事例はとても小規模なものであるが、大規模サービスにもスケール出来る考え方であると個人的に思っている。
チケット作成コストを省力化するサービス
会社ではJIRAでチケット管理をしているが、そのチケットの作成が毎回時間がかかるものであった。 その理由は以下の通りである。
- チケット作成リンクをいつも忘れる
- チケットを作成するまでに何回かページ遷移が発生する
- チケットを作ったことをSlackチャンネルで報告する必要がある
現状のチケット管理に不満があったため自分が使うために即席でSlackbotを開発した。
仕様としては、botに対して発言するとその内容がそのままチケットとして発行される、というシンプルなものだが、 上記リストでかかっていた作業をワンアクションで完了できるようになった。
運用を開始してから当日の次点で他のチームメンバーもそのbotを使用するようになった。
そのチャンネルに入っていた別チームの人もそのbotを使おう、ということでその対応のためにプロジェクトコードに対してプルリクエストを送ってくれた。
なぜサービスが広まったか
サービスが広まった理由としては以下のことが考えられる
- 新しいサービスを利用することで既存のコストを大幅にカットできる
- 新しいサービスが簡単に利用できた
- 新しいサービスを利用することに心理的障壁がなかった
- 既存ユーザがおり、新規ユーザから既存ユーザを観測できた
- ユーザ数が増加傾向にあった
- publicリポジトリとしてコードが見えるところにおいてあり、改変を自由に加えることが出来た
まとめ
ユーザ視点から考えた場合、以下の要素が大きい。
- コストカット出来る
- 簡単に利用できる
- 既存ユーザがいる
既存ユーザがいるという点については、開発者が1番目のヘビーユーザであるのが重要。 開発者が常用しないサービスは誰も使わない。