水島雄太のブログ

個人的かつ雑多なブログです。

闘うプログラマーを読んだ

8年ほど前ドワンゴに入社したときにチームリーダーに闘うプログラマーを貸されて途中まで読んでいたのだが、結局通読はしないままになってしまっていた。

日頃プログラミングを行う中でそういえば最近燃えるものが無いなと思い、なにか情熱を焚きつけるような本が無いか探した結果、思い出したのがこの本である。

NTの開発をリードしてきたカトラーを中心にNTに関わった様々なエンジニアや管理者の苦悩を赤裸々に描写しており、エンジニアとして社会にインパクトを与えるプロジェクトはこれだけの熱意、努力、苦労、精神の摩耗が発生するのかと思うと、気圧されてしまうところもある。

しかし、大規模プロジェクトで陥りがちな教訓(簡単な例でいうと、納期が差し迫った場合に機能を選択するか納期を優先するか、納期を優先する場合に人を追加するか、機能を削減するかなどの判断)なども、エンジニアとしてプロジェクトに関わる中で親近感を覚えるところも多い。

カトラーの鬼軍曹のような、仕事のためにプライベートを犠牲にすることを強いるプロジェクト管理方法は、今の開発トレンドからするとなかなか受け入れられないかもしれないが、社会にインパクトを与えるプロジェクトは概してワーカホリック的なプロダクトへ執念がこもっていることもまた経験的な事実としてある。

私もそのようなワーカホリック的にプロダクトをリリースするエンジニア像というものに憧れていた時期もあり実際にチャレンジもしたが、自分の能力不足で結局そのチャレンジは頓挫してしまった。

この本を読んで気圧されるところもあったが、もう一度そのようなチャレンジをしてみたいと思い直すこともあった。

現在の私は36歳。 心身はあまり健康ではないし、腰痛などの痛みもある。 チャレンジすることに対して不安も大きいが、歳を取るほど大きなチャレンジをすることは難しくなるし、リカバリーも難しくなる。

そんな状況の自分でも何かチャレンジしたくなる、わくわくさせてくれた本書は、少なくとも読む時間をかける価値のあるものであったと思う。